室生犀星\献给萩原的诗\萩原に与へたる詩
萩原に与へたる詩
君だけは知つてくれる
ほんとの私の愛と芸術を
求めて得られないシンセリテイを知つてくれる
君のいふやうに二魂一体だ
君の苦しんでゐるものは
又私にも分たれる
私の苦しみをも
又君に分たれる
私がはじめて君をたづねたとき
二人でぶらぶら利根川の岸辺を歩いた日
はじめて会つたものの抱くお互の不安
おお あれからもう幾年たつたらう
私を君は兄分に
君を私は兄分にした
吾吾のみが知る制作の苦労
充ち溢れた
なにもかも知りつくした友情
洗ひざらして磨き上げられた僕等
今私はこの生れた国から
君のことを考へ此の詩を送ることは
「うらうらとのぼる春日に……」といふ
あのギタルをひいた午前の
むつまじいあの日のことを思ひ出す
または東京の街から街を歩きつかれて
公園の芝草のあたりに座つたことを思ひ出す
君の胸間にしみ込んで
よく映つて行つてゐる
私はもはや君と離れることはないであらう
君の無頓着なそれでゐて
人の幸福を喜ぶ善良さは
永久君の内に充ちあふれるであらう
室生犀星\献给萩原的诗\萩原に与へたる詩
君の詩や私の詩が
打ち打たれながらだんだん世の中へ出て行つたことも
私どものよき心の現はれであつたであらう。