萩原朔太郎\巡礼纪行\巡禮紀行
巡礼纪行
冰雪严寒、
即使指尖如遭凌迟、
绝顶之处手杖仍锐利生辉、
冰雪七重、
在深深山路、
同行者鱼贯一列、
怀抱鳞伤的心向山峡前行。
向四方轮流眺望、
将那遥远地平线超越、
将那黑色的真冬超越而颤抖高鸣、
啊啊圣地有着灵感的群狼啊、
你的悲伤并不切齿、
你打磨肉身所索求之物乃是、
令呼吸断绝的疾行。
疾行之物形迹不见、
此刻同行者鱼贯一列、
手与手将银铃振响、
雪降之空将飞鸟熏染、
化为热泪盈眶的晚餐。
* いためる:疼痛的
巡禮紀行
きびしく凍りて、
指ちぎれむとすれども、
杖は絶頂(いただき)にするどく光る、
七重の氷雪、
山路ふかみ、
わがともがらは一列に、
いためる心山峽(はざま)たどる。
しだいに四方(よも)を眺むれば、
遠き地平を超え、
黒き眞冬を超えて叫びしんりつす、
ああ聖地靈感の狼ら、
かなしみ切齒(はがみ)なし、
にくしんを研ぎてもとむるものを、
息絶えんとしてかつはしる。
疾走(はし)れるものを見るなかれ、
いまともがらは一列に、
手に手に銀の鈴ふりて、
雪ふる空に鳥を薫じ、
涙ぐましき夕餐(ゆふげ)とはなる。