萩原朔太郎\偏狂\偏狂
偏狂
当可鄙的性事衰败之时、
有薰风流经足底、
额前金绿盘蛇栖息、
啊啊我独一无二的偏狂、
在夏季深山中微微摇荡。
令人哀怜的偏狂、
愿望离去、
不知何时灵智也会离去。
寂寥之空终日色泽白金、
以我辛勤的双手合掌、
眼瞳盲目、
迷醉的脑在山路中沉降。
啊啊金性的肉衰败之时、
深山急流蜿蜒、
青蓝即将衰败之时、
与祈祷之银血一同、
狂奔的肉撕裂山谷。
金性的偏狂在我掌中。
* ものまにや=モノマニヤ=monomaniya=偏执狂
偏狂
あさましき性のおとろへ、
あなうらに薫風ながれ、
額に緑金の蛇住めり、
ああ我のみのものまにや、
夏ふかみ山路をこゆる。
かなしきものまにや、
のぞみうしなひ、
いつさいより靈智うしなひ。
さびしや空はひねもす白金、
はやわが手かたく合掌し、
瞳(め)はめしひ、
腦ずゐは山路をくだる。
ああ金性の肉のおとろへ、
みやま瀧ながれ、
青らみいよいよおとろふ、
いのれば銀の血となり、
肉やぶれ谷間をはしる。
金性のわがものまにや。